「革新的」な取り組み

JFE瀬戸内物流では、常に新しい技術開発に注力し、日々取り組んでいます。
全ては人の為により良いものを、という目的のもとに行っており、主に人力作業⇒機械化への流れを加速させ、よりよい労働環境づくりを目指していくというものです。
これまでに培った技術やノウハウを駆使し、今後更なる革新的な取り組みに向けて邁進してまいります。

「低床ブル」

JFE瀬戸内物流では鉄を作るのに必要な原料を搬送するベルトコンベアの下などの清掃業務(落原料回収)を請負っています。
それらの場所では、鉄を作るのに必要な原料である、石炭や鉄鉱石などが輸送中に落下し、ベルトコンベアなどの設備の下に堆積するという現象が起こります。落鉱が堆積し続けると、その落鉱が設備と接触し、ベルト切れや摩擦熱による火災などの事故につながる恐れがあります。
そのため、各種設備の機能を維持するべく、定期的な清掃作業が必要となります。
一般的な場所ではバックホウやダンプといった重機を使用して作業を行いますが、一部重機も入れないような低い場所(地表から0.8m~1.5m)では、スコップを使った人力作業や放水車による高圧水で押し出し、回収するという方法で作業を行っていました。
しかし、人力作業では作業負荷が高く、長時間の要員確保が難しいことや放水車等による高圧水での押出しでは、設備への汚泥跳ね返りによる汚染・破損のリスクがあったり、清掃に使用した水で側溝が埋まるなど環境問題への懸念がありました。
そこで、JFE瀬戸内物流では従来の小型重機では入れない場所でも作業が可能な車高の低いブルドーザー「低床ブル」を導入・改良を施し、人力作業の機械化を推進しています。

この「低床ブル」は、全高約0.5mとかなり低く、ベルトコンベアの下などの人が入りにくい場所でも使用でき、リモコンによる遠隔操作で機械を操縦し、離れた位置から作業を行う事が可能です。
「低床ブル」の導入により、5人作業で1日に約6tの落鉱回収量だったものが、操縦者1人による作業で1日に約17tもの落鉱を回収することができ、人力作業と比べ、高い回収量を実現する事に成功しました。

今後、既存の重機では入れず作業が出来ない箇所に対し、「低床ブル」を積極的に活用し人力作業の負荷軽減を推進してまいります。

「スケール用破砕吸引装置」

鉄鋼製品を製造する工程の中に、スラブと呼ばれる厚み220mmの直方体の鉄の塊を最薄0.15mmの薄い板まで加工していく薄板圧延と呼ばれる工程があります。
この薄板圧延工程の中に、加熱炉の中でスラブを1100℃程度まで加熱し、圧延機で厚さ1.2mm~32mmの板に加工する熱間圧延(熱延)と呼ばれるプロセスがあり、鋼片を加熱した際、表面に鉄が酸化して出来るスケールと呼ばれる被膜が発生します。このスケールが、加熱炉の中をスラブが移動する際の振動により剥がれ落ち、加熱炉内に堆積する、という現象が発生します。この時に剥がれ落ちたスケールが加熱炉内に堆積し続けると、その堆積物の山によりバーナーの炎がスラブに正常に当たらない等、加熱作業に悪影響を及ぼし、工場の操業や製品の品質に影響を及ぼしてしまうため、定期的な回収作業が必要となります。

スケール回収作業は加熱炉をストップして行うため、生産への影響を最小限にするべく、なるべく短期間で作業を終える必要があります。
しかし、加熱炉内に入るための間口は狭く、既存の重機が入ることが出来ない為人の手でスコップなどを使い回収しなければなりません。加えて、スケールは被膜とはいえ、鉄の塊であるため、強固で大きさも一定ではなく、ツルハシなどで塊を細かく破砕し、搬送・回収しやすくする必要があります。
また、加熱炉内は常時40℃前後の灼熱な環境下にあるため、5人1組で4~5組が交代しながら昼夜連続3日間かけて回収作業を行っていました。

そこで、この人力作業の改善が大きな課題となっているスケール回収において、軽労化・省力化を図るべく機械化を目指し、間口の小さい加熱炉内でも入れる機械にする為、オーガ式の破砕装置をベースとした「スケール用破砕吸引装置」の開発を開始しました。
破砕刃の改良、スケール嚙み込み時の対策など、試験や改良を積み重ね試行錯誤のうえ、実作業で運用可能なレベルにまで到達しました。
今後、この「破砕吸引装置」を積極的に活用すると共に、他の人力作業についても、同様の活動を進めていき、より多くの作業員の人力作業の軽労化につなげてまいります。

「リモコン式粉塵吸引装置」

JFE瀬戸内物流では、製鉄所内の各工場で発生する粉塵がフロアや設備上に堆積したものを清掃・回収する業務を請負っています。

例えば、鉄の製造に必要な副原料である石灰や、鉄を製造する過程で成分を調整したりするのに必要な合金鉄などをベルトコンベア等で輸送する際に、乗り継ぎ部等でそれらの細かい破片や粉塵が落下し、工場内の設備下のフロア上に堆積します。
この粉塵が堆積し放置すると、フロア上で山のようになり、設備と粉塵との干渉が発生し、設備トラブルが発生したり、設備点検中にフロアの異常を発見できず、最悪、作業員が床を踏み抜いて転落してケガをする等、多大なリスクが発生します。
このリスクに対し、弊社が、粉塵を清掃・回収することで、リスク低減できていますが、弊社作業員の過大な作業負荷が問題となっていました。

これまでの回収作業では、粉塵吸引用の太く長く重いホースを作業員が担いで粉塵の吸引回収を行っていましたが、作業者の負担が大きく重筋作業となっており、粉塵が多く暑熱といった場所もあることから、作業者にとって過酷な環境となっていました。
このような3K作業の軽労化・環境改善は必須であり、人力作業から機械化へとシフトさせることが当社にとって重要な課題でした。
そこで、粉塵回収用の遠隔操作可能な機械「リモコン式粉塵吸引装置」をJFE物流㈱スマート物流推進部と共同開発を行いました。

この「リモコン式粉塵吸引装置」は、リモコンで遠隔操作できる草刈機をベースとし、取替え可能な床面用、堆積山用のアタッチメントを製作し、粉塵回収用の吸引ホースを取付けることにより、現場から離れた場所での操作・回収作業が可能な装置となっています。
当該装置はテストと改善を繰り返し行い、アタッチメントの形状や吸引ホースの取付位置、またアタッチメントの上下チルトをスムーズに行う為の機構など試行錯誤して開発を行いました。
そして、当該粉塵吸引装置の開発により作業者の3K作業負荷軽減と安全化が図られています。
今後も、当社が実施している多種多様な清掃作業に対し、各々に適した装置への機械化への取り組みに邁進していきます。

変革への取り組み

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